ご挨拶

 第 26 回日本ロービジョン学会学術総会は2025年5月23日(金)・24日(土)・25日(日)の3日間、広島国際会議場(広島市)で開催させていただくことになりました。世界の平和を願い建設された平和記念公園内にある広島国際会議場は、2023年5月に開催されたG7広島サミットの会場でもあり、本学術総会が広島県で開催されるのは初めてとなります。

 本会のテーマは「かける」-多様な社会の中に、様々な連携の橋を、未来に向けて!-です。本学会は第一線の臨床の場で活躍する眼科医、視能訓練士、看護師などの医療関係者に加え、視覚障害者、教育、福祉、労働、企業関係者などの多彩な背景の方々が参加している眼科領域の中では一番学際的な学会です。 そこで、その専門分野を瀬戸内海の島々と例え、多様な研究者がその専門分野を掛け合わせ、島と島を繋ぐ橋を視覚障害者の自立に向けた多様な支援の橋を架け、そして本学会に参加された皆様が各自の多様な未来図を描けることをテーマに込めました。

 さらに国を越えての橋をかけるために、名誉会長の木内良明広島大学名誉教授のご尽力で、海外の眼科医を招聘して、アジア5か国の視覚障害者の現状について比較・検証をするための国際シンポジウムを企画しております。

 その他のプログラムとして、特別講演には大阪大学特任教授である不二門尚先生の「ウルトラロービジョンケア(仮)」、教育講演(予定)として吉田雅子先生のご講演をお願いいたしました。シンポジウムでは補装具費支給や日常生活用具給付基準額等についての取り組みを、ワークショップには未来の情報支援として東京大学の渡邊英徳先生の多元的デジタルアーカイブズと金沢工業大学の松井くにお先生のコード化点字ブロックを取り上げました。また、教育セミナーはマツダ株式会社の産業医である奈良井理恵先生にロービジョンケアと産業医の話題を依頼し、そして広島県の専門家によるご当地企画等を計画しております。

 様々な研究者・支援者等の連携から各専門分野に強固な橋を掛けることで、これからの視覚障害者が自立と社会参加に向けて人生を駆け抜け、誰もが住みやすい社会をつくることができると信じております。そのために、多くの皆様が広島の地にご参集・ご参加されることを心からお待ち申しております。

第26回日本ロービジョン学会学術総会
会 長 奈良井 章人(奈良井眼科/広島大学病院眼科)

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